むし暑くなってきましたね。梅雨に入りましたが雨はそこそこで、日差しが厳しい日が続いています。
昨日の朝、登校指導で旗持ちをしましたが、月曜の朝だからというのもあるかもしれませんが、登校する子どもたちは数名を除いてほとんど下を向いてあいさつもロクにせず、覇気がなく、明らかに以前とはちがっていたんです💧
真夏日予報とあって、朝から暑いし、1人をのぞいて皆マスクをつけていて、このままだとマズいと、そろそろ校長先生に連絡しようかと思っていたところ
三男が小学校から「登下校はマスクをはずしましょう」のプリントを持ち帰ってきたんです❣️
実は先週、近所で事故があって子どもたち(わたしも)が10時過ぎまで自宅待機となったのですが
その時校長先生が登校見守りのため、うちの近所から学校まで歩いたそうで、その際にマスクが吐く息でグッショリになり、これじゃあ子どもたち大変だ💦
と、実感され、登下校のマスクをはずすことに決まったそう❣️
校長先生のご英断❣️ありがとうございます⤴️
そんな中、あいうべ体操でおなじみの今井一彰ドクターがマスクの熱中症リスクについてお話しされています。
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マスク熱中症にご用心 口呼吸にもなりやすく メリハリある使用を
今井一彰「はじめよう上流医療 あいうべ体操で元気な体」
コロナ騒動で在宅ワークとなったり、休校が続いたりして、人と会う機会が少なくなると表情筋も衰えがちです。そこにきて、外出時にはマスクを着用しますね。でも暑い時期に、何も考えずにただマスクをしているだけだと……。
気道抵抗が少ない口呼吸は“楽”だが…
鼻は、体に入れる空気をきれいに、かつ体に優しい状態にするために、いろいろな工夫がされています。まず鼻毛、それから頭蓋骨の中に左右で八つ存在する副鼻腔(びくう)、粘膜細胞にある線毛、そして粘液(鼻汁)、さらに鼻甲介(びこうかい)という巻紙様の構造物が鼻の中にあります。鼻甲介は血液が豊富で入り組んだ構造をしていますから、表面積も大きくなり、効率よく空気の調節を行えます。
鼻の中の空気は、あちこちで乱流を巻き起こしながら肺へと運ばれていきます。いろんな障害物があると、その流れがスムーズにいきません。これを気道抵抗と言います。
気道抵抗はふるいの目だと思ってください。ふるいの目が細かいと、より小さな物質を除去できますね。空気が肺に至るまでの気道抵抗は、鼻の部分で全体の6割程度を占めるといわれます。子どもや高齢者が口呼吸になってしまいがちなのは、筋力が弱かったり衰えたりするためです。この気道抵抗がネックになってしまいます。ですから鼻呼吸に戻していくときには、「面倒だ」とか「なんだか、かえってキツい」という感覚になります。
口呼吸は、この気道抵抗をショートカットしますから気道抵抗が極端に少なくなります。これが口呼吸が“楽”な理由です。編み目の細かいマスクをすると、さらに気道抵抗が高まってしまいますから、口で息をしてしまうのは仕方がないとも言えますが、マスク装着による口呼吸により、中毒疹と思われる人が増えたという情報も友人の皮膚科医からありました。
2歳未満はマスク危険と日本小児科医会
じっとりと顔に張り付くマスク、暑い日に辟易(へきえき)した経験もあるでしょう。マスクに関する報道は錯綜しており、何を信じれば良いのか分かりません。2歳未満の乳幼児にはつける必要なしどころか、危険性があるとの声明が日本小児科医会から出されました。3密を避けるための学校、幼稚園の休校、休園は“流行阻止効果に乏しい”との見解も、日本小児科学会より出されています。
インフルエンザの時の学級閉鎖など、今後どのような扱いになっていくのか、さらに混沌(こんとん)とした状況になることは間違いありません。新しい生活様式といいますが、私たちは何を信じれば良いのでしょうか。医師でも明確に答えられる人はいないでしょう。
高齢者は脳温上昇や低酸素血症に注意
ところで、マスクにより小さな異物が除去されれば、きれいな空気を取り込めますが、温度に関してはどうでしょうか。高齢者施設でも常にマスクを装着しています。寒い時期は加湿もされるので有用ですが、汗をかくような時期では「温度の上がり過ぎ」にも注意を払う必要があります。高齢者は身体感覚が低下しており、マスクで脳温が上がっても察知できない可能性があります。
また、汗をかいてマスクが湿って口や鼻にへばりついてしまったり、マスクの編み目がぬれて、さらに空気の通りが悪くなったりするかもしれません。もともと血中酸素濃度が低くなっている高齢者など、マスクによる低酸素血症のリスクも考慮しなければなりません。
鼻呼吸は脳温を下げる作用もありますが、これは空気が体温より低いときのことです。実は、暑くなると「環境的口呼吸」(寒かったり熱かったり、極端な気候では口呼吸になってしまう現象)を起こしてしまいます。イヌは体温を下げるために口から息を吐いて、舌の唾液を蒸発させています、あの状態に似ています。寝る前にエアコンのタイマーをセットして切れるようにしていると、寝汗をかいてマスクが湿ってしまうことが考えられます。クーラーをつける時期は、就寝中のマスクはやめた方が良いでしょう。
◇マスクによる脳温上昇や熱中症を見分けるポイント
1) 顔面の赤みが増す 2) あくびが増える 3) 傾眠傾向 反応が鈍くなる このような状況の時は、すぐにマスクを外しましょう。
そこで、家の中やソーシャルディスタンスを取れる場所ではノーマスク、人混みではマスクというようにメリハリをつけた装着をお勧めします。私たちは天然のマスクである「鼻」を活用することで、これまで人類20万年の歴史を生き抜いてきました。口を閉じることを意識して、鼻の免疫力を十分に活用するという意識も「上流医療」です。
今井 一彰(いまい・かずあき)
みらいクリニック院長、相田歯科耳鼻科内科統括医長 1995年、山口大学医学部卒、同大学救急医学講座入局。福岡徳洲会病院麻酔科、飯塚病院漢方診療科医長、山口大学総合診療部助手などを経て2006年、博多駅近くに「みらいクリニック」開業。日本東洋医学会認定漢方専門医 、認定NPO法人日本病巣疾患研究会副理事長、日本加圧医療学会理事、息育指導士、日本靴医学会会員。
健康雑誌や女性誌などに寄稿多数。全国紙、地方紙でも取り組みが紹介される。
「ジョブチューン」(TBS系)、「林修の今でしょ!講座」(テレビ朝日系)、「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)、「ニュースウオッチ9」(NHK)、「おはよう日本」(同)などテレビやラジオの出演多数。一般から専門家向けまで幅広く講演活動を行い、難しいことを分かりやすく伝える手法は定評がある。
近著に「足腰が20歳若返る足指のばし」(かんき出版)、「はないきおばけとくちいきおばけ」(PHP研究所)、「ゆびのば姿勢学」(少年写真新聞社)、「なるほど呼吸学」(同)。そのほか、「免疫を高めて病気を治す口の体操『あいうべ』」(マキノ出版)、「鼻呼吸なら薬はいらない」(新潮社)、「加圧トレーニングの理論と実践」(講談社)、「薬を使わずにリウマチを治す5つのステップ」(コスモの本)など多数。
(2020.6.15 ヨミドクター)